サンセットパーティ

なぜ「婚活」と「終活」が切り離せないのか

60歳を過ぎてからの婚活は、人生の集大成を共に歩むパートナー探しの旅です。しかし、シニア向けの結婚相談所も扱う「シャンクレール」を運営する中で、避けて通れないのが「終活」という現実的な課題です。60代以上の婚活利用者トップクラスのシャンクレールにてシニア世代の利用者の約9割は再婚者であり、そのうち7割近くにはお子様がいらっしゃいます。前妻・前夫との間の決め事や、同居しているお子様との関係、そして将来の相続問題など― ―。これらは、新しい人生を踏み出す際に、どうしても「子細な問題」としてつきまといます。せっかく見つけた「幸せ」が、家族間のトラブルの火種になってしまわないために、婚活をするときに何を知っておくべきなのか。今回は相続・終活の第一線で活躍するしおかぜ法律事務所の山口弁護士をお迎えし、シャンクレールでシニアの婚活担当として小松(インタビュワー)と共に、シニア世代が直面する「再婚と終活」のリアルな境界線に迫ります。

シャンクレール シニア会員データ

再婚希望者
9
お子様がいる
7
相続・将来・住まいなど
問題を抱えている
01. 「法律の健康診断」で
トラブルを未然に防ぐ
小松 小 松
山口先生、本日はよろしくお願いします。
シニア向けの結婚相談所を運営していると、どうしても年齢的なこともあり、婚活と「終活」が切り離せない場面に直面します。実際に、トラブルが起こる前に相談に来られるケースというのはあるのでしょうか?
山口弁護士 山口弁護士
はい、ありますね。もちろん関係性が良好なご家族も多いですが、一方で「なかなかご理解を得られなかったり、あまり仲良くないご家庭」というのも当然ございます。そうした際に、事前に対策したいということでご相談いただくケースは少なくありません。
小 松
やはり、関係があまり良くないから相談に来る、というイメージが強いのですが……。
山口弁護士
実は、そうとも限らないんです。一般的には「この子には財産を渡したくない」といったドロドロした状況を想像されがちですが、実際は「仲が良いからこそ、事前にある程度決めておくことで、残されたお子さんたちがしっかり相続できるように準備したい」という前向きな希望を持たれる方も多いんですよ。
小 松
なるほど。
トラブルが起こってから弁護士さんのところへ行くのではなく、その前に動くことが大切なのですね。
山口弁護士
そうですね。分かりやすい例えで言うと、皆さん病気になった後って病院に行きますよね。でもその前に定期的に健康診断っていうのもしますよね。法律の世界もそれと同じなんです。健康診断をしておくことで早期に問題が発見され、手が打てる。どうしても発見が遅れてしまうと、対応できる幅っていうのが狭まってしまうので、できるだけ早い段階で相続に関して言えば生前の対策が重要です。
小 松
「法律の健康診断」というのは、すごくしっくりきます。健康診断は国で決められているからみんな受けますが法律にはそれがない。だからこそ、自分の意志でチェックする場が必要なんですね。
山口弁護士
そうですね。「もし自分に何かあった時って、これどういう風になっちゃうの?」みたいなご相談でも全然OKです。まずは話を聞いてみるというのが一番かなと思います。
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02. 再婚者の「信頼獲得」と後妻問題のリアル
小 松
相談所でも、真剣交際に入るカップルには「お墓」や「介護」、「ネット銀行の口座確認」などを含むチェックシートを書いてもらっています。ここでハッとして相談に来られる方も多いのですが、再婚者が婚活をスムーズに進めるために、意識しておくべきことはありますか?
山口弁護士
相続の観点からお話しすると、まずは「自分の財産を整理しておくこと」ですね。自分がどこの銀行にどれくらい持っているなど、完璧に把握している人ってそんなに多くはないと思うんですよ。特に最近だと投資信託などをされていて、通帳という形で持ってないケースもあります。どんな財産があるかを把握することは、お相手への信頼にもつながります。
小 松
確かに、年齢を重ねると口座も増えて管理が曖昧になりがちです。そこを整理することが「信頼獲得の一歩」になるわけですね。一方で、再婚で新しいパートナーができた時、お子さんとの間で「後妻問題」のようなトラブルが起きることはないのでしょうか?
山口弁護士
ありますね。特にパートナーの方とお子さんの関係がうまくいっていないと、いざ相続が発生した時に手続きが全く進まないというケースは多いです。一緒に暮らすことになると、日々の生活費でお金を下ろしたりしますよね。そうするとお子さんからすれば『あのお金は何なんだ』と。気持ちと気持ちがぶつかると、なかなかうまく進まないんです。
小 松
実際、新しい配偶者とお子さんの間での「遺産の分配」というのは、法的にはどう決まっているのですか?
山口弁護士
お子さんがいるケースですと、配偶者の取り分は「二分の一」です。残りの二分の一をお子さんたちの人数で割っていく形になります。
小 松
ということは、前妻とのしがらみなどは関係なく、入籍した瞬間に新しいパートナーに半分がいく、と。
山口弁護士
そうです。
小 松
それは、お子さんからすれば「急に現れた人が半分持っていくのか」という感情になりそうですね。金銭的な理屈だけで割り切れない部分が大きそうです。
山口弁護士
まさにそこなんです。お子さんからすれば、自分の実の親がいなくなった後に、これまでの感情だったりっていうのが、お金の問題も絡んで爆発してしまう。我々にご相談いただくのは、このパターンが結構多いです。

相続の基本ルール

子どもがいる場合

配偶者
配偶者
1/2 Chart
子どもたち
子どもたち
子どもの人数で分配

子どもがいない場合

配偶者
配偶者
3/4 Chart
兄弟
兄弟

※両親が存命している場合を除く

03. 「事実婚」か「法律婚」か。それぞれのメリット・デメリット
小 松
そうしたトラブルを避けるために、あえて籍を入れない「事実婚」という選択肢はどう思われますか?
山口弁護士
選択肢の一つではあると思います。ただ、通常の法律婚との違いを理解しておく必要があります。メリットとしては、俗な言い方をすれば『籍を入れていないので諸々の手続きをしなくていい』という点でしょう。一方で最大のデメリットは相続権です。法律婚なら二分の一の権利がありますが、事実婚には相続権が一切認められていません。
小 松
パートナーがいなくなった後の金銭的な不安があるなら、おすすめできないということですね。
山口弁護士
そうですね。基本的には一緒に生活していくのであれば、法律婚をお勧めすることが多いです。ただ、そもそも「どこからが事実婚か」という線引きも実は難しいんですよ。
小 松
確かに、ただ一緒に住んでいるだけではダメなのですか?
山口弁護士
明確な基準はありませんが、一般的には三つの要素が必要と言われています。一つは「お互いに結婚しているという認識があること」。二つ目は「共同生活の実績(財布が一緒など)」。そして三つ目が「社会的に夫婦として認められていること」です。
小 松
事実婚でもハードルが高いですね……。
山口弁護士
そうなんです。客観的に判断できる材料がないといけない。例えば、住民票に『未届の妻(夫)』と記載したり、ご友人関係にも『私たちは事実婚です』とあえて公表しておくなどの実績作りが大事になります。
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法律婚と事実婚のメリット・デメリット

事実婚
相続権
あり 配偶者は配分1/2
なし 遺言書がないと財産を受け取れない
法的保護
弱い
強い
手続き
必要 (婚姻届など)
少ない
社会的信用
高い
低い
遺言書の必要性
あった方が安心
必須 遺言書が最良の方法
04. 「遺言書」が家族を救う。全世代へのアドバイス
小 松
事実婚の場合でも、遺言書があれば財産を渡せるのでしょうか?
山口弁護士
可能です。むしろ、事実婚の場合、自動的に相続権が発生するわけではないので、財産を残してあげたいという気持ちを実現するためには、遺言書が最善の方法です。また、持ち家の場合、遺言書がないとパートナーが亡くなった後に家を出て行かざるを得なくなるリスクもあります。
小 松
それは切実ですね。では、再婚・初婚問わず、遺言書は書いた方が良いのでしょうか。
山口弁護士
はい。特にお子さんがいない家庭は必須だと思ってください。もしお子さんがいなくて、ご両親も他界されている場合、相続権は「兄弟」にいきます。
小 松
兄弟ですか?
山口弁護士
そうです。配偶者が4分の3、兄弟が4分の1です。手続きのために、疎遠な兄弟とコンタクトを取らなければならない。これは精神的な負担ですし、手間もかかります。中には権利を主張されるケースもあります。
小 松
……今、僕自身がハッとしてしまいました。僕も今、妻はいますが子どもがいないんです。僕が他界したら、妻があまり面識のない僕の兄弟とやり取りしなきゃいけない……。書くべきは僕なんじゃないかと思ってしまいました(笑)。
山口弁護士
そうなんです。自分とは無関係だと思う方もいらっしゃると思うんですけど、交通事故などの不慮の事故もあります。簡単なものでいいんです。『誰々に全て渡す』という内容でいいので、一つ書いておくことをお勧めします。
小 松
「自筆」で書くのと、公証役場で作る「公正証書」では違いがあるのですか?
山口弁護士
法的な効力は同じですが、自筆は「本当に本人が書いたのか?」というツッコミどころが残り、トラブルになるリスクがあります。リスクを最小限にしたい、手間を省きたいという場合は、資料集めからサポートできる我々のような専門家を頼って公正証書を作るのが安心です。
※個別事情によって必要な対策は異なるため、専門家への相談をおすすめします

50代からの婚活相談について

これからの人生を一緒に笑い合い、支え合えるパートナーと出会うために。シャンクレールでは、中高年・シニア世代の婚活に寄り添いながら、一人ひとりに合ったご縁をサポートしています。

中高年の婚活専門カウンセラー
北村尚子 Naoko Kitamura
北村尚子
中高年の婚活専門カウンセラー
北村尚子 Naoko Kitamura

婚活アドバイザーとして業界経験は16年、これまでに100名以上の成婚をサポートしてきました。特に中高年を中心に、300名以上の会員様を一人ひとり丁寧にフォローしてきた実績があります。一緒に笑ったり泣いたりしながら、「その方に合ったペースで寄り添うこと」を大切にしており、「担当者が北村さんでよかった」というお客様からのお言葉は何よりも嬉しいです。シニアの婚活は結婚というカタチに拘らず、これからの人生を共有するパートナーと出会っていただきたいと切に願っています。どんな些細なことでも話しやすく前向きにサポートすることを心掛けているので初めて婚活をする方でも安心してお任せください。あなたの思いを大切にしながら、しっかりと寄り添って、心強い味方としてサポートさせていただきます。

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